私は人間の皮膚には、まだまだ隠された素晴らしい能力がたくさんあると思っています。現在解っている事は、万一傷口に細菌が入ってきたら、脳の命令をまたずに戦闘を開始する、皮膚の免疫システムを持っていること。
あと五感の始まりは、皮膚からだとも言われています。
私達は、耳で音を聞いていると思っていますよね。しかし日常で耳にする音は、耳に聞こえない周波数であったり、超音波や低周波の音も含まれています。それらを、皮膚が聞いていることは明らかになってきました。
人間の皮膚に関して書かれたユニークな本を見つけました。
この本の中で野口氏は『皮膚は原初生命体の界面の膜である。すべての感覚受容器(視‣聴・嗅・味・触)を含む総合的な感覚受容器である。と同時に脳・神経の原初的形態なのである。脳は皮膚がからだの中の特定の場所にまとまって出来たもので、皮膚と別物ではない。』
『原初形態の脳(原初生命体の膜)は、受容・伝送・処理・反応のすべての働きをしていたと考えられる。今ある脳は主として処理の働きを受け持っている。』『現在の人間は触覚から視覚・聴覚・嗅覚・味覚というように分化・特殊化することによって進化してきたと考えられている。』
『すべての感覚はもともと「触覚」にその本質があることを思い知るべきだ』と書かれています。
私の独断と偏見で要約させて頂くと、現代人は脳を優位に置いているが、その脳は皮膚から派生したものであり、処理の働きのみを受け持っている。人間にとり触覚が最も大切であると。
野口氏の言われるように、すべての感覚の本質である触覚(皮膚感覚)を重要視してみてはいかがでしょうか。指先の細胞一個一個が意思を持っています(すべて身体の細胞は意思をもっているので本来は脳に頼らなくてもよいはずなんですが)
今からでも脳に頼らず、自分の身体に訊く(自分のそれぞれの細胞)習慣を身に着ければ本来の人としての在り方が自ずと蘇ってくると思います。