閻魔帳とは閻魔王が持つ死者の善悪の行動記録が書かれている手帳のことです。閻魔王は浄玻璃鏡(じょうはりかがみ)で、亡者を裁くとき善悪の見極めに使用すると言われています。
『浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ、じょうはりきょう)は、閻魔が亡者を裁くとき、善悪の見きわめに使用する地獄に存在するとされる鏡である。閻魔王庁に置かれており、この鏡には亡者の生前の一挙手一投足が映し出されるため、いかなる隠し事もできない。主に亡者が生前に犯した罪の様子がはっきりと映し出される[1]。もしこれで嘘をついていることが判明した場合、舌を抜かれてしまうという。また、これで映し出されるのは亡者自身の人生のみならず、その人生が他人にどんな影響を及ぼしたか、またその者のことを他人がどんな風に考えていたか、といったことまでがわかるともいう。「業鏡」という呼称は、人間の生前の業をすべて(実際に行動したことから、心のなかできざしたことまで)映し出すことが出来る鏡であるという意味である。』(ウィキペディア(Wikipedia)より)
師は私に「お前の閻魔帳は一番分厚いんだぞ!そんだけお前は悪さばかりしているんや!」
「え~!?閻魔帳って本当に存在しているのですか?」
「当たり前だろ、あるよ」
「どうしよう。師匠私よりもっと殺人を犯したりとか閻魔帳が分厚い人他にいっぱいいるんじゃないですか?」
「あんなあ、お前は解っておらんな」
「ええか、よく聞いとけよ!殺人を犯したりやむを得ない事情で罪を犯した人間はな、自分が罪を犯したと解っておるんじゃよ。それが悪い事だと解っているから心底悩み苦しむんや。心から自分の過ちを悔やみ反省できるやろ」
「お前がなんで罪深いか教えたろか。お前はな罪を犯しておるのに、それが悪い事だとまったく解っておらんのだよ。そういう奴が最も指導に時間がかかるんやぞ!まずそいつに罪の意識を持たせなければならんからな」
「最も悪い事は、自分に対して嘘をつくことじゃ!嘘で固めた人生なぞ真の幸せなど感じれるか」
私は師に諭されて考えました。きっと我々の心の中にはすでに浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ)が存在していて、常に自分の心の中の善悪が映し出されているのではないでしょうか。それを閻魔王が見られるのかもしれません。ならば自分に恥じない自分でいられるように心がけることができますね。