私は夜勤のため夜中の2時に懐中電灯を持参し巡視をしておりました。ある患者さんのお部屋には消灯を忘れたのか赤々と電気が点いていたのです。
本来熟睡されていてもおかしくない時間です。そっとお部屋のドアを開け「もう消灯時間は過ぎてますよ」と声を掛けました。「わかってるけど寝させてくれないのよ」
「ほらあなた見える? 夜中になると幽霊が訪ねてきて、一晩中話を聞かせられるのよ」
私はお部屋の周りを見渡して見ました。
窓ガラスがピシピシ音をたてています。確かにラップ現象が起きていたのです。患者さんの周りに異次元空間が存在しているようでした。
患者さんは、ICUにいた時も一睡もできなかったのよと話してくれました。本来ICUは、術後の安静や身体の管理のために入る所です。
ICUの患者さんの所に、毎晩20歳ぐらいの若い娘が訪ねてきたそうです。その彼女は事故に遭った経緯を説明してくれるんですって、おまけにその事故の時の赤い車も見せてくれたとのこと。(後日ICUの友人に赤い車の幽霊の事を聞いてみたところ、有名な話らしい)
私は患者さんに「毎晩訪ねてくるのなら、若い娘の幽霊にすでにあなたは亡くなっていて幽霊なんですよとお話してあげるといいですよね」とお話させてもらった。
しかし…
困ったことに、それには大きな問題がありました。患者さんによると幽霊は自分がすでに死んでいることを認めないというのです。一生(すでに終わっているか…)幽霊であり続けるのでしょうか。 エンドレス?
後日談:患者さんには刑事をやっている息子さんがいるみたいです。
「ただいま」と玄関先で患者さんに話しかけたそうです。患者さんは「お前の後ろに~の服を着た~の顔の男が立っているよ」と息子に話をしました。すると息子は「今日殺人事件があり被害者の男だよ、なんで母さん知ってるの」と絶句したと言います。
私は師(自分が存在した時からずっと私を指導してくれているリアルな存在)から「神仏に関わっていた昔の人は、成仏できない霊を成仏させる力を持っていた」と教えられています。しかし現代は成仏させられる人間は存在しないようです。
成仏させれる存在がいなければ、この世はどうなるのか…
自分の周りは、浮かばれない霊ばかりとなってきます。
人間が浮かばれない霊を成仏させれなくなったのは、人間が偶像崇拝のご都合主義で、真なる神を信じなくなったからだと私は考えています。お釈迦様が嘆いていたようにまさに現在そうなっています。