娘とミヤビの生活は、2006年からスタートしました。
チワワのミヤビは、娘にとり母親や友達の役目をしながら、娘をずっと見守り陰で支え続けてくれたのです。
娘は一人では外に出られないので、ミヤビは娘に散歩に連れて行ってもらった事がありませんでした。ミヤビにとっての世界は、狭いワンルームの中だけでした(娘も同じです)
悲しいかな娘は太陽がその当時大嫌いだったので、カーテンは一日中閉めっぱなし。部屋の中は一年中薄暗かったのです。そんな中で娘とミヤビはひっそりと肩寄せあい生きてきたのです。
狭いワンルーム内をこちょこちょとミヤビは動き回っていました。
私が娘に会いに行くと、ミヤビは嬉しそうに私の足元で飛び跳ねたりしました。
そういう状況がしばらく何年か続いたのです。
ある日娘は突然に「大学に行きたい」と言ったのです。
私は驚き娘に尋ねました。
「どうして行きたいの?」
「大学の階段教室で講義を受けてみたいから」と.。
娘は小学校しか行っておりません。
娘にとり大学入学はかなり厳しいです。
ただ年齢は関係ないと思います(私事ですが、離婚後37歳で看護師の資格を得ました)
娘は夢に向かって行動しましたが、外に行けないので、頼まれた参考書を探して娘に渡しました。
独学で勉強し高校卒業レベルの卒業認定試験を受けました。
なんとか合格しました。
それからかなり苦労して、大学のセンター試験も受けたのです。
当時私は引っ越し費用などで散財しており、手元に余分のお金はありません。
娘は台所事情をしっているからか、希望の大学を一校しか受験しなかったのです。
学問の神は娘の努力を見届けてくれたのでしょうか。
希望の外語学部に合格しました。
人間嫌いだった娘が、留学もし無事大学を卒業できました。
そして、現在は大手企業で得意の語学(英語・中国語)を駆使して仕事をしています。娘は自分の手で夢を叶え続けるでしょう。
娘を支え続けてくれたチワワのミヤビも、娘の活躍を喜んでくれていると思います。
奇跡とは努力の延長線上に存在している事を知りました。
私は引きこもりの娘&犬のミヤビから多くを学んでいます。
本来私がやらねばいけなかった母の役目をミヤビは犬だけどやってくれました。
2006年に家に来てくれたミヤビは、今年で16歳になります。
人間で言ったら、かなりの高齢犬です。
最近認知症の症状も出てきました。
私は娘を救ってくれた恩を一生忘れません。
ミヤビに私は尋ねました。
「ねえミヤビ、もし神様がお前の好きなものに生まれ変わらせてくれるなら何がいい?今度は人間?」
ミヤビの功績を神様に報告するからね。
ミヤビありがとう。